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台風の後・水量の増した滝

今週、史上3番目・18日間の長寿台風5号が関西に上陸した。そしてその翌日、会社帰りに箕面の滝を撮影に行った。夏になると、箕面の滝はライトアップされており、納涼スポットとして賑わうのだが、さすがに台風の後はあまり人がいない。そして、台風で水量の増した滝は普段の穏やかな観光スポットとは違った顔を見せる。

台風が通過した後に流れ込んだぬるく湿っぽい空気の中、更に並走する清流で(ふだんならマイナスイオンとか言うのだろうけど)湿度の増したゆるやかな登り道を、汗だくになって40分ほど歩くと、道の先からドドドト・・・という音が聞こえてくる。台風で水量が増した箕面の大滝が朱塗りの橋越しに見えてくる。

白濁した水が、ふだんのライトアップの照明で白く浮かび上がり、暗い森の中で水墨画の様な佇まいを見せる。

その姿はてらいなく、ちょっと怖いくらい神々しい。この迫力のある風景を眺めながら、「滝は人に見られるために滝の姿をしているわけではない」と今更ながら考える。 ~ 昔、遊歩道も無い時代に山に分け入り最初にこの滝を発見した人は、どんな感慨を持っただろうか。自分も周囲の誰もあずかり知らない地上のある場所にエネルギーにあふれた風景が展開されている。見るものはその姿に畏怖の念を持っただろうか。でも、畏怖の念を人間が持つことなど関係なく、滝は豊かな水を大きな音とともに流し続ける。この滝はもう何年水を流し続けているのだろうか。

自分の通勤先から、少し郊外で起こっているちょっとした劇的な状況と、ひるがえって大自然のパワーを前に、取るに足りない存在である小さな自分を感じさせられた一瞬。

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