あいまいな季節に。
昨日の朝は、濃い霧だった。
子供のころこの季節になると、風があたたかくなり、自分の身体と周囲の空気の境界があいまいになる様なカンジが好きだった。今でも、一番好きな季節である。
毎年「一番好きな季節」で思い出すのが、荒井由実「ベルベット・イースター」。
いっしょに出かける約束を交わした恋人が迎えに来る休日の朝、その明け方の情景を歌ったものだが、あまり心情的なことは歌詞では語られず、雨音を思わせる美しい鍵盤のメロディと温かいフレットレスベースの音に乗せて、ひたすらこの季節の情景描写が続く。(聴きたい方は、下の写真をクリックして、YouTubeに飛んでください。)
ラストの♪La~LaLaLa、La~ 気が遠くなっていく様な風景とあいまって、このままこの静かな時間が、悠久の時が、ずっと続いて行くような気分になる。
1973年 荒井由実 まだ高校生の時の作品。