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「君の名は。」 を二度観る。(1回目)


今年の夏から秋は、見たい映画がたくさんあった。実際に観た順番で行くと「シン・ゴジラ」「帰ってきたヒトラー」「TOO YOUNG TO DIE!」そして、「君の名は。」だ。

主人公のけなげさに報いるハッピーエンドと、大きいスケールでかつ手のかかった緻密な映像。観終わった後、非常に心地よく爽やかな気分にさせてくれた。「あ~、これはいい映画だな、人気あるのわかるわ。」と思っわせるものがあった。

ただ、ストーリーに疑問が残った。多分、多くの人が同意すると思うが、そのいくつかを上げると、

・男女が入れ替わる前半と、彗星落下事故回避の後半、ノリもテーマもギャップがあるけど、前半の設定は後半のストーリー展開上の必然があるのか。

・更に、男女の入れ替わりも男の子の方が実は三年後の人物という設定が、一瞬この物語を分かりにくくする。多くの客は、スケッチを手掛かりに記憶の町「糸守」に男の子がたどり着いたとき、そこは廃墟だったところで、少なからず混乱するでしょう。そこまでの設定をしている意味は?

・神楽、口噛み酒、あの世を象徴する「ご神体」、「ムスビ」を象徴する「組紐」、それらはストーリー上なんらかの意味を担っているはずなのだが、伝承が「繭五郎の大火」で断絶しているという設定で、それらの意味は最後まで明らかにされない。何だったのか。

・どうして、村長である父親は、当初世迷い言を言うと決めつけていた娘の主張を最終的に受け入れ、村民が避難することに同意したのか。

などなど、である。 なんか、自分の中で整理できてないカンジが残った。

最近の映画は、本編のストーリーとは別に、その背景の設定が緻密に行われていることが多い。たぶん、以上の様な疑問に対する答えは最初から用意されているはずである。しかし、その多くは2時間の上映時間の中で語られることなく終わる。映画館来館者が一瞬ストーリー上に疑問を持っても、それらは深堀りされることなく忘れ去られていく。

私もしばらく、特に町の神事や慣習の設定に思わせぶりなものを感じ、「ひょっとして、糸守町には過去にも彗星が落下したことから、その惨事を後世に伝えるための神楽や口噛み酒なのかな~??」と、山の上のご神体の天井のシーンを思い出しながら考えたのだが、それ以上は分からなかった。

(・・・・長くなるので、続きは来週。)

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