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J-POP in the '80s⑧:中山美穂~ You're My Only  SHININ' STAR

先週、松原みきさんの「真夜中のドア」は、わたしのカラオケの持ち歌と書きましたが、もう一つの持ち歌が、中山美穂の「You're My Only SHININ' STAR」です。考えてみると、松原みきが80年代の始まりを告げる曲なら、この曲は、80年代末期の曲でちょうど対になっていることに今気が付いた。

彼女はこのころ、まだ10代だったと思うのだが、ノーブルな美しさ、ちょっとヤンキーな不良ぽさ、しっとりとした女らしさ、といった、一見矛盾したものが矛盾無く同居している、大変魅力的な女性でした。

この肩パッドイケイケの時代、彼女は大変楽曲にめぐまれ、virgin eyes、人魚姫~ mermaid~、WITCHES、CATCH ME、といったクラブ系ダンスミュージックから、世界中の誰よりきっと、ただ泣きたくなるの、といった大変良質なポップス、女神達の冒険、といった先端的な打ち込み系、と、さまざまなスタイルを次々と繰り出し、ヒットさせていた。シンガーとしては、この同時代の松田聖子や中森明菜の影に隠れてやや存在感が薄いけれど、レコードセールスはかなりのものだったハズである。90年代に入っても、バラエティに走る事無く、女優と歌手を両立させる芸能人としての王道を突き進んだことも立派だった。岩井俊二監督の映画Love Letter とか。

そんな彼女が歌う出色のバラードが、「You're My Only SHININ' STAR」。ハイレベルな女性がチョット見せる弱さと甘え、角松さん、ウマイいですね。キュンとします。この振れ幅の大きさが彼女の魅力であり、しかも、彼女には、優秀な表現者にありがちな肥大した自意識から来る思わせぶりなところが一切無い。これは一種の才能だったと思うのです。で、多くの優秀なクリエイターが、彼女を通してあるものを表現した、あるいは、したがった、と。結果、彼女はますます多面的な表情を見せながら、おおくの楽曲や役柄に恵まれた、そういうメカニズムがあったと思うのですね。

さて、2ヶ月続いた"J-POP in the '80s" 、次の回でいったん終わりにしたいと思います。で、次回は久しぶりに中山美穂をじっくり聴いて、思い出したり考えたりしたことを題材に、まとめをしたいと思います。

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