CICADA、ラスト!
「CICADAのラストライブでアンコールを演奏してから
鳴り止まない拍手に感動しました。
本当にありがとう。
すごく嬉しかったです。
ステージの裏でみんなと抱き合いました! 愛!!」
~ ラストライブ終了後の及川さんのツイッター。
3月26日代官山のSPACE ODDにて、CICADAのラスト・ライブが行われた。
満杯の客、終了後も鳴りやまない拍手。~5年前彼らと出会い、50代も半ばにさしかかったところで、またライブハウスに足を踏み入れるようになった。
初めて彼らを観たのは北堀江での対バンライブで、観客は25人ほど。しかし、その絞り込まれた音数や囁くようなウィスパーボイス、静かに盛り上がる揺れるような楽曲。城戸さんの体温低そうなルックスとあいまって、とにかく大人っぽくてカッコいい音と佇まいに、新鮮な印象を持った。 ~ 久しぶりに夢中になれるバンドの登場だった。
このブログの最初の記事も彼らの紹介だった。ファースト・アルバムを聴いて感激し、AMAZONにリコメンドのレビューを書いた。彼らが関西に来たときは観に行くようにした。最初は単独での集客は難しいので、対バンライブ。彼らが演奏する前後の時間にメンバーとお話もした。特にキーボードの及川さんは人懐っこく話しかけてくれ、仲良くしてもらった。ユニバーサル・ミュージックからメジャーデビューしたとき、渋谷クワトロでの初ワンマンライブを東京まで観に行き、ライブ終了後に”おめでとう”と、声をかけた。
固定客が増え、客との間合いが徐々に詰まっていくのが分かった。それにつれて、ライブもハジけた熱を帯びる様になる。一方、若林さんが曲が書けなくなり、及川さんがフォローとまとめ役に廻っている様子が垣間見れたりした。城戸さんはダンスの練習に励んでいた。木村さんの後任で加入した越智さんのタイトなベースでの”BACK TO”は秀逸だと思った。新しくリズム・パートナーを得た櫃田さんはガンガン腕を上げて行った。 ~ 二年ほど前から、メンバーは他のアーチストとのコラボやバックバンドへの参加が多くなっていった様に思う。交流や世界が拡がり、声がかかる様になるのはいいことだと思っていたが、逆にバンド内部はもんもんとした空気があった。そんな中で、メンバーはそれぞれやりたいことの方向が違ってきているのが明らかになったことが、今回の解散という帰結を生んだ・・・・様だ。
今日が最後の日である。会場で、元メンバーの木村さんにも会えた。
ライブは湿っぽい空気もなく、淡々と、でも温かい雰囲気で進む。都会的な彼ららしいラスト・ステージ。そして、私は再来月に還暦を迎える。この50代後半の5年間に彼らと出会えたことに感謝している。
【解散にあたり、若林さんからのメッセージ】
今までCICADAの音楽を聴いてくれた人たち、
本当にありがとうございました。
何か書かねばとどれだけ考えたところで、
気持ちを表すベストな言葉が見つからない。
だから勝手に一方的な約束をしようと思う。
これから先も、誰かの瞬間を彩るような、自分にしか作れない音楽を俺は作っていく。
本気で出来ることはそれしか無いから。
最後のライブ、来られる人はまたその時に。
来られない人も、またいつか。
必ず。
今日まで、ありがとう。そして、お疲れさまでした。