サカナクション! ~ “グッドバイ”以前、“グッドバイ”以降。

今回のライブは、6.1チャネルといったギミックとは別に、10th Anniversaryという意味もあり、過去の歌がが数多く披露された。そういう意味では、山口さんも、ニューアルバムのリリースツァーにはない、活動の総括という意味で自身のこだわりで曲目や演出を考えられたと思う。

 

で、初めて聴いたその過去の歌に、僕は「フォークっぽい」と感じてしまった。 ~ やわらかい音で歌詞は内省的な心象風景を描いたものが多い。で、自分が手が届く範囲での世界、そこのつらさや哀しさが歌の背景にあるように感じた。これは、“グッドバイ“以降の曲しか知らない僕にとっては新たな発見だった。しかし、“新宝島“のMVの弾けかたと、このギャップは何なのだろう。

 

 どうも、気になっていろいろネットサーチしたり、過去の彼がDJを務めるラジオの録音を聴いてみると、僕が彼らに初めて興味を持ったNEXT WORLDのテーマソング“グッドバイ“は彼らの活動の歴史の中で、それ以前とそれ以降を分断するエポックな作品であるらしい。それ以前の彼らは、人気が出始めコマーシャルやドラマのタイアップの仕事が次々舞い込み、音楽を"する"ではなく"やらされている"感覚に陥っていたらしい。何のために音楽をやっているのかと自問する時期が続き、かなり精神的に追い詰められていた山口さんが、〆切に間に合わせるべくスタジオ入りした際に、本来仕上げる曲ではなく口をついて出てきた曲が、この”グッドバイ”だったと。「グッドバイ、世界から知ることのできない、不確かな未来へ舵を切る。」 ~ なるほど。不安を持ちながらも、前に進む山口さんの意思表示だったわけですね。で、そのタイアップ番組のタイトルがNEXT WORLDだったというのも、神の見えざる手によるお導きのような・・・才能にあふれた山口よ、前に進め、と。

 

正直、才能のある、アイラインしたキザなオニイちゃんという印象しかなかった僕は、その先入観に申し訳ないような気持ちになると同時に、大学時代、建築デザインに煮詰まり、その後、パーンと弾けた自分と彼を重ね合わせた。レベルは全然違うと思うけど。深く深く悩んだ後、急に身体が軽くなる瞬間、クリエイターはのびのびと好きなことをすることの大事さを再認識する。

 

 

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February 2, 2019

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