絵の話をもう少し。

 

2011~12年ごろ、ロンドンに出張することが増えた。で、折角の機会なので、空いた時間には意識的に夏目漱石ゆかりのスポットを観て廻る様にしていた。

 

ある日、その巡礼プログラム中の一環として、坊ちゃんに登場する「ターナー」、草枕の「オフェーリア」を観にテートギャラリーに向かった。 しかしそれらを観に行ったはずのわたしは、この見ず知らずの画家が描いた、初めて観たこの絵の前で釘付けになってしまった。

夏が終わっていく、今のような季節だろうか。 夕暮れに揺れる光が、夢のような雰囲気を醸し出す。

 ~ そして、歌うようなタイトル ”Carnation,Lily,Lily,Rose.”。

 

作者は、John Singer Sargent(1856 - 1925)。日本に帰ってきてから、気になって画集や解説書を探したが、あまり日本では興味を持たれていない方の様で、結局アマゾンで高価な洋書を取り寄せるしか無かった。 ちなみに洋書でよければ、この絵のモデルをしていた子供が、この絵が成するまでの微妙な光の再現にSargent苦労するする様子を紹介している絵本がある。

 

長くは続かない黄昏、あたりが暗くなるにしたがって明るさを増す提灯。一瞬の光と空気を切り取った奇跡の様な絵です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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December 28, 2019

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