岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ

 

"岡崎京子は急速な円高によりバブル経済期を迎えた1980年代後半よりも、終末感と奇妙な明るさが同居し、さまざまな表現ジャンルが領域を超えて組み合わされ新しい表現を生み出していった80年代前半への愛着をしばしば語っている。" ~ 「pink」 あとがきより。

時代(=戦場)と、それに翻弄されながらもけなげに生きる個人(=ガールズ・ライフ)。

 

彼女のマンガを読むと、女の子個人の生活を軸に物語が展開されているのに、何故かその時代の空気や気分といった大きなものが、鮮烈に浮かび上がってくる。「大きな物語」が説得力を失い崩壊していき、「表現」が「なんでもアリ」でどんどん「軽く」なっていくなかで、時代のなかでは小さな存在であるハズの女の子個人の考え方や行動が、逆に時代に対する「批評性」を獲得していった。そして残る、彼女のちょっと「退屈」な気分。

 

今は事情があって休筆中の彼女の活動を一望する展覧会、改めて観ると、当時自分が彼女の作品をいかに事細かに読んでいたかがが、今更ながらに思い出された。 ~ 80年代のTOKIOで、彼女と同時代の共有体験があるということの幸運を、今更ながら感じた。いい展覧会でした。

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December 28, 2019

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