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ゲスの極み乙女。その2~ アイディアがありあまる。

川谷絵音さんは、ゲスの極み乙女。のフロントマン。すべての曲と詞は、彼の制作による。彼はもう一つのバンドのフロントマンでもある。indigo la End というバンド。このバンドの曲は、ゲス。と比べるとハジケた感じがあまりしない内省的なものが多いのと、ゲス。のピアノが中心となった楽曲と比較して、ギターを中心に据えたものが多い。 わたしがいちばん好きな曲は「さよならベル」という曲。

このMVの女の子、中学生くらいでしょうか。演技うまいです。特に、缶コーヒーを飲んで苦そうにしている表情(まだこどもだから)や、だるまさんがころんだ、で、やっと彼の背中にたどり着いた・・・のは彼女の妄想で、現実に戻るとそこは冷たい壁だった・・・の下りなど、五十過ぎのオッサンもキュンとします。

おわかりの様に、この曲は、「かつてむかしにあった 『二人はまだこどもで、それ故自意識が強く、それがジャマして、お互い最後までチャンとつきあえなかった』 というできごとを、夢でみて思い出した。」 という状況を歌ったモノです。 オッサン、「う~ん、わかるわかる、そういうことって、あるある」 と、共感するわけです。

でも、ゲス。と比べると、スゴイ内省的な歌ですよね。indigoはこういったナイーヴなトーンの曲が多いように思います。同じ人間の作とは思えないくらい違う。

川谷絵音さん、ゲス。で、別のスタイルやってみたかったンでしょうね。たとえは悪いけど、ちょうど楳図かずおが「へび少女」みたいなホラーモノばかり描いてて、それなりの成功をしたけど、ある日思い立ってギャグマンガ「まことちゃん」描いたらブレイクしちゃった・・・みたいな。(そういえば、川谷さん、ルックスがやや楳図さん的かな、細いし・・・失礼。)

アーチストには創作テーマが必要ですが、それが続くと、逆にそれに縛られて窮屈になってくる。煮詰まってくる。で、別のテーマを思いつく。思い切ってそれをやろうと決めた瞬間、こころが軽くなる。行っちゃえ~、みたいな。

でも、二つのバンドかけもちで、リーダーやって、アイディア出して、曲書いて、アルバム発表して、ツアーもして、しかも厳しく高いレベルを維持する。ふつうだったら、シンドくてしょうがないと思うけど、彼はそれをなんなくやっている様に見える。逆に、ゲス。の活動は、indigoのバンド活動にもいい影響すら与えてるかも知れない。川谷さん、ストイックな見かけとはウラハラにエネルギッシュです。なかなかできないことです。でも、それが出来てるのは、彼がすごく勉強してきたのもあるでしょうが、イメージがすごく沸くからなんでしょうね。「ロマンス」ではなく、「アイディアがありあまる・・・死に物狂いで、生き急いでんだ」 ~ これ、天才にのみ許された資質です。

「ジミ・ヘンドリックスの頭の中では、、寝ても覚めても新しいギターのフレーズが鳴り響いていた。『誰か止めてくれ!』 と、彼は叫んだ。」 エノンは、早死にしちゃダメよ。

(・・・次回 ほな・いこか編は、一週間後)

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